妖万華鏡 反省会場

妖万華鏡について、この数ヶ月、腹に抱えていたものを、(努力をもって)なるべく簡潔に淡々と書き連ねます。

 

 

結論から言って、わたしはとてもとても残念な気持ちになりました。

悲しくなるほどに脚本が面白くなかったからです。

 

キャラクターが動いていない
キャラクターが絡まない
ロケーションが変わらない

要は、キャラクターや舞台の設定が活かせていない。

 

あれだけ面白そうな設定を付与しておいて、活かされていないキャラが多すぎる。

あれだけ面白そうな舞台をたくさん用意しておいて、ずーーーっと森の中で五番勝負やってる。(信じられん)

キャラクターをまんべんなく出そうとしたせいで、すべて人間関係の描写が薄すぎる。

 

そしてなにより、主役のふたりの描写が浅すぎる。

 

 

何が「主題」だったのだろうか。この物語は。

 

物語全体のボリュームに対して、エピソードごと、キャラクターごとに割く尺のバランスが明らかにおかしかったと思います。

主役はメのふたりだったのではなかったのか。
なぜふたりの関係性を軸として話を展開しないのか。

 

本筋に関係のない五番勝負なぞちんたらやってる場合ではない。
1試合だけしっかり描写する程度ならまだしも、2試合もやってる。
それがメのふたりに関係あったかと言われると、そんなこともない。

そもそも6章で終わらせなければならない話なのに、主役の雲外鏡の登場が2章というのがもうおかしい。

 

 

原因が何かはおいておいて、過去こんなことがありました・こんなことがありました・こんなことがありましたと回想を連ねられたところで、こちらとしては「だから何?」です。
回想を見て「そんなことがあったのね!」と感動するには、それまでにキャラクターへの愛着が醸成されていることが必要です。
楓と雲外鏡に関しては、「ふたり」の関係性の描写が本当に少ない。そんななかで回想を見せられたって感動のしようがありません。

楓がいきなり「雲外鏡を斬る」ってなるのも正直ついていけなかったです。
だって、そういう感情を抱くようになるまでの過程っていうものがないんですから。

 

なんかこう……せめて楓がもうちょっと戦闘好きとか、戦国時代への強い憧れがあったとか、侍として死にたがっているとか、そういう描写があったらまだ理解できたんですが。
それまですご〜く真面目に仕事して淡々としてたのに、いきなり「侍の血が騒ぐ」みたいなこと言われてもちょっと……って感じです。こういうのって助走なしには飛べないよ。

 

「ふたり」が主役の話だと思ってるんですけど、もしかしてこれは群像劇だったんでしょうか。だからあんなに主役ふたりの描写が雑だったのか?
まあ、群像劇にしても他キャラクターの動かし方はお粗末すぎるとは思いますが……。

 

他キャラクターの扱いもまあひどいなと思いました。
「本筋に大して貢献しない割に尺ばかり使う」キャラクターが多すぎます。
円とか烏天狗とか。あとは試合してた4人とか。

特に烏天狗は……めちゃくちゃ残念でしたね。「烏天狗」で「情報屋」っていうすごいカッコいい設定があるのに、やってることといったら試合の審判だけ。肩透かしにもほどがあります。

円に辻斬りさせたのも、あの脚本じゃほとんど意味がない気がします。シンプルに重が辻斬りしたってことにしとけば、円と鎌鼬のややこしい言い合いもカットできて、その尺をほかにあてることができたのに。
円にやらせるなら、せめてこう……重にそそのかされて仕方なく・こんなことになるなんて、申し訳ない……みたいな感じだったらまだアリかなと思うんですが……円自身は反省もクソもないし……なんだろ……なんかこう……ただの「腹立たしいやつ」で終わってる感が……

 

あとはずーるくんね……いやほんと……「あのひとたち何だったの?」ってなってしまうのが辛い。マジで本筋に関係ないからな……。
本筋に関係ないから、メ推しのわたしとしては「関係ないなら映さんでくれ」って言いそうになったし……。申し訳ないんですけれど……。

 

キャラクターに関しては、全体的にそんな印象……。

 

あくまで想像ですが、「なるべくキャラクター16人全員まんべんなく出す」とか「人気のある組み合わせは少しでも絡みや因縁があるように」みたいな意図があったんじゃないですかね? 絡みって言っても上っ面だけの浅いやつですけど。

 

群像劇ではなく、メのふたりの話が本筋だとしたなら、本当に不自然で不必要なところが多すぎる。

 

「星巡り」と決定的に違うのはここだと思うんですよね。
星巡りは……よかったですよ。物語がとても面白かった。
主題があって、ストーリーの筋が通ってて、キャラクターがちゃんと動いてた。
キャラクターによって出演時間にものすごく差があって、なかでもわたしの推しの出番は全くといっていいほどなかったけど、そんなの全然気にならなかった。
モモとユキを推してるわけじゃないけど、ホープには感情移入できた。
なんでかって、それは物語がおもしろかったからです。

妖万華鏡は……そのへんがわたしには合いませんでした。
既存のキャラクターありき、人気ありき、設定ありきで、それらを取り繕うようなストーリーを展開されたって、全然おもしろくありません。
主題が見えない、ストーリーも上っ面だけ、そんななかのキャラクターなんてしょせんは「都合よく動かされる」だけの人形です。
感情移入もなにもないです。

 

全然おもしろくなかったな。

 

「おもしろくない」作品で主役をやらされた……わたしの推し……壮五と環……これは何???

 

いや……怒り……ですよね、普通に。

漫画を原作にしたクソ映画化でその主役を演じてしまったがために原作ファンからバカにされる推し、みたいなシチュエーションまで想像しましたよ。本当最悪です。

 

すっごい……期待してました。メが主役で、和風で、刀持ってて……あんだけ面白そうな設定と舞台があったから。それはもうものすごく期待してました。

楓ちゃんが灯影街に来て、刀衆として務めつつ、ひょんなことから烏天狗におつかいを頼まれ、行ったその先で雲外鏡と出会い、ただならぬものを感じ、そのルーツを探るために水辺の祠や幻界にまで赴き、烏天狗や蛟と契約を結び、獣憑きとは対立して……みたいなこと、もしくはもっとすごいことが起こるのかなあ!って

でも蓋をあけてみたら……もう、がっかりだよ……。なんなんだ……。

 

残念で、やるせなくって、結局ブックレットは開封すらしていません。
楽曲も聴きたくなくなった
「妖万華鏡」の文字を見ると反吐が出ると思ったこともありました

 

でも数ヶ月経って、やっと持ち直して、「環と壮五にも、楓と雲外鏡にも罪はないから……わたしはわたしなりにこの子らを愛しもう……」と思えるようになりました。

脚本がクソつまらんだけで、設定自体はおもしろいものだと思いますし。ワクワクしたのは事実。
実際、いまとなっては、楓と雲外鏡で描きたいシーンがあるなあと思ってすらいます。
もういっそ、わたしの考えた最強の妖万華鏡を描こうかな……マジで……。

 

 

まあなんというか……総括すると、打ち切りになったジャンプ作品みたいな脚本だったなって思います。

設定だけこねて頭でっかちになって、
その設定に酔って、序盤に出し惜しみしたせいでアンケートが取れず、
掲載順が怪しくなったところでテコ入れとばかりにキャラクターを増やし、とってつけのバトルを展開するも
とってつけ展開のために関係性のうっすいキャラクターばかりが増えた結果あえなく打ち切りの宣告をされ、
出し惜しみしていた人間関係等の設定を最後の最後でドバーッと出して
なんとなくそれっぽく良い感じにまとめて終わりました〜

みたいな。
よくある打ち切りのパターンですよ(言ってて悲しくなってきた)。

 

「重厚なストーリーで大人気」な『アイドリッシュセブン』がこんなもの出していていいんでしょうか?

少なくともわたしは「重厚なストーリー」で『アイドリッシュセブン』を愛し始めたクチなので、妖万華鏡の脚本じゃ全然満足できなかったです。
 

 

***

 

 

 

これはずーるくんのMVのときにも言ったことなんですが、アイドリッシュセブンのコンテンツは「クオリティが安定しない」ものが多すぎます……。

「常にクソ」「常にまあまあ」「常に良い」ならもはやどれでもいいんですよ。安定しているので。
「超良い」だったり「最低」なのが入り交じっているのが嫌なんです。

 

過去に「超良い(星巡り)」を出してきた枠だから、今回も「超良い」を期待するじゃないですか。しかも推しが主役。
でも結果は「最低」だった。もう……本当に、わたしの気持ちを返して、って言いそうになる。勝手に期待したのはわたしだから何も言わないけど……。

 

毎回ガシャを引かされてる気分になります。
今回は勝ちだったな、とか、今回はドブだったな、とか。

よりにもよって推しの番で、「ドブだった」って思いたくないですよ。
リバーレを見て、「リバーレはいつも良いもん作ってもらっていいよな」とか考えたくもないです。

 

でもそう感じてしまう。この状況。

 

「過去に良いものを出した実績があるコンテンツ」で、低クオリティのものを出されると、本当に腹が立つよねって話を『うたプリ』の友人としました。
「できる」のに「やってない」としか見えない、わたしたちは舐められてるのか?って思うよねって……

本当、舐めたもん作らんでほしい
すごく残念な気持ちになって悲しくなるから

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